CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?89
今日は、ロバート・ウォルク著「料理の科学」からメモします。
帯に「料理のサイエンス入門書」と書かれているように、
料理を科学的に分かりやすく解説してくれます。
色々な疑問にウォルクさんが的確に、ユーモアを交え答えてくれます。
”昔から認識されている人間の五感ー触覚、聴覚、嗅覚、視覚、味覚ーのうち、
純粋に化学的なな特質をもっているもの、すなわち実際の化学分子を感知できるのは嗅覚と味覚だけです。
この二つのすぐれた感覚を通して、人はさまざまな化学物質の分子と接触することで生じる、種々のにおいや味を知覚するのです。(中略)
嗅覚が感知できるのは、空気中に浮遊しているガス状分子だけです。一方、味覚が感知できるのは、
食品自体に含まれる液体か、あるいは唾液か、どちらかの水分に溶けている分子だけです。
(だから岩石のにおいをかいだり、味わったりすることはできないわけです)。
他の多くの動物同様、私たち人問もにおいによって食物に引きっ味覚のはたらきによって、食べても害のないーーそして食欲をそそるーー食物を見つけるのです。
いわゆる「風味」というものは、鼻が感知するにおいと、味蕾が惑知する味覚が結びつき、そこに飲食物の温度、剌激感(香辛料のピリッとした感じ)、テクスチャー(食感や歯ごたえ)などが加わって生み出されるものです。
人間の鼻にある嗅覚受容体は、何千というにおいを識別することができ、風味のおよそ80%は嗅覚容体で感知されると見られています。
80%とはずいぶん高い数字だなとお思いになったら、ロと鼻はつつながっているということを思い出してください。
つまり、食物を咀哨することによって口中に放出されるガス状分子は、鼻腔の中に上がっていくのです。
さらに、食物をのみこむと鼻腔に部分的な真空状態が生まれ、口から鼻へ空気が吸い上げられます。
人間の嗅覚とくらべれば、味覚はそれほど鋭くありません。
味着はほとんどが舌の上に広がっていますが、硬口蓋と柔口蓋にも見られます。
硬口蓋はロ内の天井部分の前方にあたる硬い部分、軟口蓋はその後方にあって、
口蓋垂(口と喉の境目にぶら下がっている、あの小さな突起物)まで続く柔らかいヒダの部分を指します。
従来の考え方では、主要な味覚である「基本味」は四種類しかないとされていました。
甘味、酸味、塩味、苦味の四つです。
さらに、それぞれの味覚だけを感知する味蕾があると考えられていました。
しかし現在では、少なくとももう―つの基本味があるというのが一般的な考え方になっています。
この第五の基本味は日本で最初に発見されたことから、日本語で「うま味」(umami)と呼ばれています。
うま味はグルタミン酸ナトリウムをはじめとするグルタミン酸化合物によって生じるもので、
グルタミン酸は、タンパク質の基本成分
として広く存在するアミノ酸の―つです。肉類やチーズなど、タンパク質の豊富な食品に多く含まれています。
それぞれの味薔が一種類の味覚からの剌激にだけ反応するという説も、最近では信憑性がないとされ、
感度は低くなるけれど他の味覚にも反応すると考えられています。
教科書に載っている標準的な「味覚分布地図」では、甘味を感知する味蕾は舌先に、
塩味の味着は舌側、酸味の味蕾は舌の両側、苦味の味奮は舌の奥にあると説明されていますが、
先に述べたことを考慮すれば、あまりに簡略化されていると言わざるをえません。”
人間の鼻にある嗅覚受容体は、何千というにおいを識別することができ、風味のおよそ80%は嗅覚容体で感知されると見られています。だそうです。
美味しいにとって嗅覚がどれほど大切か理解ができました。
次に続きます。