CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?97
今日は、「おいしさの科学」佐藤成美さん著からメモします。
この本は、2015年に開かれた日本科学会主催の公開講座「科学と食」。
その中で、8名の食の専門家から「おいしい」を語ってもらったものを編集し書籍化したそうです。
色々な立場の専門家が考える「おいしい」。とても興味深い話が沢山書いてありました。
「おいしさ」の科学 素材の秘密・味わいを生み出す技術 (ブルーバックス) 講談社 (2018/3/15)
今日はその中から「美味しさの評価」についてメモします。
”同じものを食べても人によっておいしさの感じ方は違います。そのため、おいしさを評価することは難しく、これまでは人の感覚による方法に頼っていましたが、
近年では味覚センサーによって客観的に評価できるようになってきました。
味覚センサーは商品開発に革命をもたらすばかりでなく、おいしさの新たな知見をもたらしています。
おいしさを構成する要因には味や香りといった食品側の要因に加え、食べる人の生理的要因や心心理的要因、さらには食べるときの現境条件などが加わり非常に複雑なことは先に述べました。
そのため、食品のおいしさを評価することはとても難しく、食品メーカーなどは食品をさまざまな方法で分析した客観的評価と、食品を食べる人の感覚による主観的な評価を組み合わせています。
食べ物の性質は大きくは「化学的性質」と「物理的性質」に分けることができます。化学的性質は味や香りなどの成分で、食品から抽出し分析できる性質です。
たとえば、食品に含まれる水分の状態は食品の保存性や品質に大きく関わっています。
そこで、味や香りなどおいしさに関わる成分を調べれば、食品のおいしさの評価につながります。
一方、物理的性質にはかたさや弾力など力学的性質や大きさや温度などが加わります。
物理的性質は食べたときの食感として知覚され、おいしさの重要な要素でもあります。
しかし、成分そのものを取り出すことができないので分析や評価をすることは困難ですが、さまざまな分析機器が開発され、測定法が工夫されています。
人による評価には官能検査が使われています。官能検査とは、人の感覚を使って食品の品質や科おいしさを評価する方法です。
官能検査は、化学分析などに比べれば簡単で迅速なのですが、人によって評価に差があり、また同じ人でも常に一定に評価するのは困難です。また数値などで表託現することも難しいという問題があります。
そこで、訓練を重ねた専門の検査者が適切な方法、環境のもと行います。得られたデータは統計処理して、結果を出します。また、評価したい食品をなるべく多くの人に食べてもらって、その味や食感などが好ましいかどうかを評価してもらうこともあります。”
おいしいを評価するのは無理ですが、おいしいの平均得点を上げるのは可能になってきているのかもしれませんね。