CMディレクター仲野哲郎の「シズル」「おいしい」って何? 15
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今日は、前回の続き、土井善晴さんと糸井重里さんの対談
「ほぼ日刊イトイ新聞」からのメモです。
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土井
プロはほうれん草をただ茹でて、おひたしにしただけでは叱られますから。
ですから昔の料理屋というのは、たとえばほうれん草ならそのアクをぜんぶ抜いて、
だしの味と入れ替えるような仕立てをして、提供してたんです。糸井
つまり、輸血のように味の総入れ替えをするみたいな。
土井
まさにそうなんです。かつてはそこまですることによって、「やっぱりプロはおいしいね」とみんなが家庭との違いをたのしんでいました。
ですから料理屋の料理というのは、素材の見た目は活かしてますけど、味は総替え。
それが料理屋の仕事だったんです。昔はいまより家庭で明らかにうまいもんを食べてましたから、料理屋はそれ以上のことをしないとダメだったんです。糸井
そのふたつはまったく違ったんですね。
土井
はい、ぜんぜん違ったんです。たとえばタケノコは、家庭では1時間茹でたあと、茹で汁のまま冷まして、すぐ使いますでしょう?
まぁ、すこし水にさらしますけど。でも料理屋の場合は、3時間も4時間も茹でて、
そのあとも使うまで1日でも2日でも水にさらして、まったくアクをなくしてしまうんです。よりやわらかく、より白く、よりクセをなくして、ダシの味にして売るわけですね。
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この話、とっても面白いです。
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「輸血のように味の総入れ替えをする」のがプロの仕事(プロの味)だった。
家庭料理と料理屋の差。
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美味しいとはどういうコトなのか?プロと素人の違いは?を考えさせられる一言でした。