CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?44
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とても面白い本「人間は脳で食べている」伏木亨さん著 ちくま新書
今日は、「4つのおいしさ」からメモです。
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”美味しさの4本柱
1:生理的な欲求に合致するものは美味しい。
2:生まれ育った国や地域、あるいは民族(宗教)などの食文化に合致するものは美味しい。
3:脳の報酬系を強く刺激してやみつきになる。
4:情報が美味しさをリードする。
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この4つでおいしさは分類できるそうです。
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4:情報が美味しさをリードする。
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“確かな共通認識はあるようだ。それが美味しさの座標である。
じゃあ、その共通認識はどのようにできたのか。
これはわからない。先逹となったその道の最高蜂や達人が大きな影響を及ぼしてきたとは言える。
「じゃあ、その前は」
そのまた先達の影響。つまり、長い間に地域の文化あるいは食通の間で
自然に出来上がってきた共通認識というところか。
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ちなみにボルドーのワインの格付けは、一九世紀後半のパリ万博時代にナポレオン三世 の命令で仲買人組合から選ばれた人たちが
その当時の取引値段などを参考に決めたという。
当時の実勢価格が色濃く反映していたと言える。
一級シャトーは選ばれた特別な存在である。
格付けは今日まで原則として変更されることはなく、シャトーのプライドが味を維持している。
100年以上も前に決められた格付けを世界中のグルメたちが習うことによっておいしさを評価する秩序が成り立っている。
蔵も伝統の味を変えないように気を配ってきた。
年による原料ブドウの品質の情報が加味されて精緻な秩序が出来上がっている。
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ソムリエやワインアドバイザーになるためには、ブドウの名前や畑の名前ばかりでなく、このような秩序の体系を細かく記憶して応用できなくてはならない。
おいしさというのは習い覚えることなのである。
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「これがおいしい味である。よく覚えておくように」
「本物の味はこういう味です」
「冷ややかで拡がりのある渋みがいいですね。ここまで厚みがあればこの地域のワインとしては最上級の味ですね」
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先達が後進を指導することによってこの世界は成立する。もちろん、多くの価値判断にはそれなりの理論や普逼性もある。全体としては壮大なおいしさの体系であることも事実である。
食品の種類にもよるが、過去から現代にかけて食通が吟味した体系がある。
これを中心に秩序ができあがっている。
究極と言える絶対的な根拠があるわけではないが、かなりはつきりした秩序は存在する。
また、多くの人たちがこれを使って同じ話題で語り合える程度には普遍性がある。
しかし、何故それが究極であるのかについては説明されないことが多い。
「昔からそういわれてきたものです」
というのが正直なところであろう。”
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今回は美味しさの座標についての文章だった。
情報が美味しさを左右する。良い例えでした。