CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?47
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とても面白い本「人間は脳で食べている」伏木亨さん著 ちくま新書
今日は、美味しく食べることのできる時。についてのメモです。
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”戦いはストレスである。緊張するスポーツ競技も同じ。
動物にとっては戦うか逃げるかである。
脳は戦いにむけて体中の代謝を戦闘モードに切り替える。危機と判断した脳が交感神経を剌激する。
副腎皮質からアドレナリンが盛んに放出される。
教科書に書かれているとおりの、視床下部から脳下垂体さらに副腎皮質というストレスの主要な伝達・応答経路である。
危機を感じて脳は戦闘モードを指令する。
急な動きに対応するために心拍が高まる。血液が身体を駆けめぐり、酸索は充分供給される。脳や筋肉がテンションを高める。極度に緊張すると痛みさえ感じなくなる。迫り来る危機に対する備えが完成されてゆく。”
”戦闘モードの神経系は身体の隅々まで制御する。
手強い相手との契約交渉などでも、肉体的な戦いではないが、脳は戦いモードに入っている。
緊張の局面では心拍も血圧も上昇する。かーっと顔が熱くなることもある。
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エネルギーの多くはすぐに利用できる糖質を燃料としている。
血液中の糖分はもちろん、肝臓に蓄えられていたグリコーゲンが交感神経の直接作用や続くアドレナリンの作用で切り出されて糖に変わる。
これがとっさの燃料を補給する。こんな時に何かを食べても身体が受け付けない。
食物を消化吸収する内臓の活動は、脳によって一時休止を命じられている。
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食べている場合ではない。
無理に食べても下痢してしまう。早く体外に出すための大腸の行動でもある。
ストレスが強いと酒を飲んでも緊張して酔えない。”
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”戦いが終わって危機が去った時、脳は栄養・休息モードに入る。
栄養素を積極的に吸収する態勢ができる。
戦うための交感神経優位にかわって副交感神経が活発になる。
副交感神経に助けられて内臓が動き出す。消化も吸収も分泌も元に戻る。
身体の代謝が、燃料を生むための分解モードから、栄養を補給する備蓄モードに変わる。
交感神経の作用によって消耗した筋肉や肝臓などが休息中に再ぴ修復される。
この時こそ、食事がうまいと思える時期なのである。
緊張が解けたときには何でもうまい。
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”野生動物はが餌を見つけると安全なところに持ち込んでから食べる。
危険や不安の中では食べられない。”
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やや逆説的ではありますけど、戦闘モード・緊張・危険の中では美味しく食べられない。というのはすごくわかります。