CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?48

とても面白い本「人間は脳で食べている」伏木亨さん著 ちくま新書

今日は、おいしいを感じる脳のメカニズムのメモです。

一応メモしますけど、時間のある時にきちんと整理したいです。

(脳の仕組みがわかるともっと面白いんだろうな。。。)

美味しさの生理メカニズム から。。。

”食物を口の中で噛む。噛んでいる間に食物成分が唾液と混じる。これが舌を剌激する。
舌は、食べ物の成分をキャッチして、甘味、酸味、苦味、塩味、うま味、そして脂肪の剌激などの信号に変える。


渋味や辛味などが含まれている場合にはこれらも信号として脳に送り出す。
さらに、歯触りや舌触り、粘つきやとろみなど食感も物理的な信号となる。

よく熟した赤いイチゴを口に入れると、甘味や酸味が舌で検出されて信号となる。
種のつぶつぶ感や表面のつるつる感も信号として脳に伝えられる。よく冷えた冷たい感じも伝えられる。

舌や口の中からの信号は脳の入り口と言える延髄孤束核に伝えられる。

延髄孤束核は後頭部にある。脊髄と脳の境界付近。
おいしさに関わる信号の、脳の入り日でもある。

延髄孤束核はすべての信号を舌の先、舌の奥、咽頭、内臓などの順に整列させる。


舌の先で感じる甘味は延髄孤束核の上の方に並び、ビールののどごし感触などの、喉からの信号は後ろの方に並べぶ。
消化管などの内臓の情報がさらに後尾につく。


「大名行列ですね」

-  
これらの信号の行列がいわば脳の入り口である。

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おいしいとかまずいとかの判断はなされていない。
非常に酸味が強ければ唾液が盛んにわき出る。
極端に異常な味がすれば思わず吐き出す。
これらは反射であり、延髄孤束核が判断して起こる。
うまい・まずい以前の反射と言える。

- 
延髄孤束核に整列した信号は脳の一次味覚野に別々に送られて味覚が統合される。

-  
一次味覚野という名前はいかにも曖昧であるが、実際に曖昧なのである。

この味覚野に該当する脳の部位が徐々に明らかにされている。

曖昧ではあるが重要なことがある。この時点でようやく何を食べているのかが明らかになってくるのである。

-  

「イチゴだ!」

というのはこのあたりではじめてわかる。

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「見たらわかるじゃないですか」

-  
精巧なろう細工かも知れない。
予想は付いているが食べないとわからないこともある。
舌は食べ物を単純な味党成分に分解して脳に伝え、味覚野がこれを再び組み立て直して食品の味わいに戻す。

-  
「分解してからまた組み立てるなんて、面倒なことをするものですね」


現実にはその様な作業が行われている。
味覚を信号として伝達するのは大変なことだとと言える。
再構成された情報は価値を判断するために扁桃体に送られる。

ここでおいしさの判断が下される。

食べ物の美味しさは、扁桃体で判断される。

扁桃体はおいしいまずいのみならず、すべての生物的な価値判断に関わると言われている。

いわば、情報の快不快、可否の判定を専門に受け持っている裁判所みたいなところである。


あまりに異常な味のため、食べるに耐えられないものなどは、延髄孤束核のレベルで判断して反射的に吐き出させたりしている。

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「一次審査ですか」
「書類審査で落ちるってやつですね」

-  
扁桃体は脳の部位の中でも特に多段階の価値判断を受け持つのに適している。
この部位がすべての感覚についての輻広い情報を受け取る位置にいること、
そして、好き嫌いの程度に比例した強さの信号を出すことができる機能を持った神経であることによる。


「神経に音量ボリューム機能が付いてるんですか」

- 
好き嫌いの程度は実際には信号の頻度で強弱が表される。
好きならば信号が何度も出て、そうでなければパラパラとした頻度でしか信号は出ない。この回数が好き嫌いに比例する。
旨さやまずさを、いわば観客の拍手の大きさに変えるような仕事をする部位が扁桃体なのである。紅白の総合司会者みたいなやつだ。

「紅組が優勢と思われる方は拍手を!」と言う役目だ。

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扁桃体は高度な判断をする場所であるから、判断材料が神経を使ってどんどんここに運び込まれる。


あちこちの情報員からじゃんじゃん電話が鳴るのである。
過去の記憶ファイル、すなわち個人の食体験の膨大なデータも近くの海馬周辺に蓄えられていると思われる。
過去の判例が大いに参照される。”

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-   

やみつきになる味

”おいしいかまずいか、食べるか食べないか。

その判断材料は、主に二つの方向から来る。

―つは味覚などの食物情報。

もう一つは体調や食物を食べたあとの効果などのからだの情報である。

おいしくても体調が悪くなるようなものは許せない。

味の情報とからだの情報はともに扁桃体に重要な判断材料として持ち込まれる。

扁桃体は好ましさの程度に応じて信号の強さを変える。

出てきた信号の一つを側坐核という部分に送ると考えられている。

他にも多方面に信号がばらまかれているようだが詳しくはわからない。

「今の食べ物は栄養素も豊富だし、いつも食べている好みのものだから0k」

側坐核は食行動に直接関わる視床下部に信号を伝える。

おいしければ摂食中枢を剌激して

「もっと食べよう」

という行動に移される。

脂や砂糖など特別においしい食材が口にはいると、

大脳皮質のいろいろな部位や食べ物の価値を判定する部位などから側坐核ヘ一斉に、

「こいつは特別に旨いぞ!」

という信号が入る。

そんな食べ物は忘れてはいけない。大切な食物だから今後も忘れないように味や匂いなどの情報がスペシャル登録される。

これが、やみつき感を持つ食べ物である。”

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”脳内報酬系とはその名の通り、正しい行動を取った動物に本能が与る。

正しい行動というのは、生きてゆく上で合理的な行動である。

お腹がすいたときに食事をすることは正しい行動である。こんなときの食事は非常においしい。

これも報酬の快感である。

喉がからからの人間や動物が水にありつく。特別においしいことは、狂ったように飲む姿からもわかる。

報酬の快感である。生きるために非常に正しい食べ物を摂取したときに与えられる。そしてやみつきになる。”

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苦味と酸味と臭覚

”一方、味覚の中では、苦味と酸味が身を守るための機能である。

実際、我々はすべてり苦味を感じることができる。

苦味の受容体は30種類ほどもあり、うま味や甘味に比べろと異常とも言える厳重な備えがなされている。

甘味やうま味などは身体にとって好ましいものを積極的に捜す機能を担っていると言える。

受容体の種類は一つずつしかない。苦味に比べて手抜きされているようだが、安全第一の思想である。

食物が口に入ってから鼻に抜ける匂い、すなわちフレーバーは、安全を確保するためだけとは言えないようだ。

なにしろ、食物はもう口の中に入っているのだかが味覚と同じレベルでしか安全ではない。

嗅覚は味覚を補ってより的確に自分にとって重要な食物を捜す役目を受け持っていると思われる。

おいしい食べ物の記憶は、味ではなくて主に嗅覚の記憶と言われる。

味の記憶は脳の中でいくつもの神経系を乗り換えることもあって、あまり確かではない。

嗅覚の信号は嗅覚受容体から速やかに脳にはいるので変形を受けにくい。記憶も定かである。

「たしかに、匂いの記憶は何年たっても変わりませんね」

ライオンやヒョウの匂いの記憶が簡単に変わったら、危険が察知できない。

生き残るためには記憶は確かでなくてはいけない。昔の食べ物の記憶というのはたいてい香りやフレーバーだ。味の記憶は長持ちしないようだ。”

以上。長〜いメモでした。

人間は脳で食べている 伏木亨さん著10 | 2020 | 未分類 | Comments (0)