CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?50
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とても面白い本「人間は脳で食べている」伏木亨さん著 ちくま新書
今日は、脂の美味しさについてのメモです。
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”脂を好きになるのに数日は必要なのである。
初日はおそるおそる食べた脂は消化吸収され、高いカロリーを持つことが脳に伝えられる。
二日目も同じことが繰り返されると、脳はこの脂に注目し、スペシャル食物リストに登録する。
再び、同じ脂が食べられると確信すると、期待感が生じ、おいしいという快感を発生する準備が整えられる。
期待通りの脂が口にはいると、おいしさの快感が脳を駆けめぐるのである。
おいしさには数日の予備審査にパスすることが必要で、それが通ればいつでも快感の準備がなされると言える。”
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”大正時代以前は、トロは脂っこすぎると敬遠されていた。
大正人にはトロの舞い上がるおいしさが感じられなかったのか。
トロといえども、その気にならないとおいしくないのである。
実験動物同様、好きになるのに少なくとも数回以上のチャレンジが必要であったと思われる。
しかも、当時は一般に脂っこい食べ物は少なかったので、妙に脂っこい味として好きにもなれなかったのかも知れない。
確かに、我々の子供の頃に、油ギトギトのラーメンが現れたら敬遠されたかも知れない。時代の味というのもありそうである。”
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大正の人には脂がそれほど必要ではなかったのかもしれないですね。