CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?102

今日は、トヨタ・iciなどの多国籍企業のデザインコンサルティングもしている

オックスフォード大学の心理学者 チャールズ・スペンス著 

「おいしさ」の錯覚 (角川書店) 

からメモしていきます。

2018年初版なのですが、正直「もっと早く読みたかった〜」と感じました。

世の中はどんどん進化していきますからね。。。

「おいしさ」の最前線を見ることができ、とても勉強になりました。

とても面白い本です!!

今日は、料理の名前についての文章からメモしていきます。

”淡い赤色のアイスクリームを見たとき、食事客は差し出されたものについて、

頭の中ですぐに予想を立てた。

そのようなものがテーブルに出されたら、あなたならどんな味を予想するだろうか?

西洋人のほとんどは、ピンクがかった赤色の冷たいデザートを見たら、

甘いフルーツのアイスクリームを思い浮かべる。たとえば、ストロベリー味だ。

ブルメンタールのレストランの常連客たちは、

キッチンからもたらされたデザートが甘いと予想したが、

実際には塩の効いたアイスクリームだった。

どの食べ物が栄養満点で、関心を向ける(そしてそれを手に入れるために木に登る)

 のにふさわしいか、どれに毒があるから避けたほうがいいか、

といったことを判断するのは人間の脳の基本的な役割だ。

しかし、たまに予想が外れることがある。そうした時の驚き、

あるいは期待はずれはかなりショックとなる。

ショックどころか、不快感を覚えることも多い。

のちに、ガストロフイジクス分野における一連の優れた実験を通じて、

サセックス大学のマーティン・ヨーマンズと彼のチームがブルメンタールとともに、

単純に呼び名を違うものにすることで、凍ったピンク色の食べ物に対する人々の味覚と

評価を大きく変えられることを発見した。食べる人の期待を変えるため、

そのデザートに「塩味のアイスクリーム」、あるいは「フード386」などという

ミステリアスな名前を付けたのだ。

その名前や描写を聞いた人たちは、何も聞かなかった人々よりも明らかにそのデザートを楽しんだ。

(中略)

そして期待がたとえわずかでも私たちの評価や知党に影密する。自宅で食事する場合でも、

あなたの料理を食べる人々にとっては、口に入れるものと同じぐらい、

頭の中で起こっていることが重要になる。

そして、私たちの期待を呼び起こすのは食べ物の色や見た目だけではない。”

”高級なンストランで、何を食べようかとメニューを眺めている自分を想像してみよう。

今日は魚が食べたい気分だ。

さあ、どの魚にしようかな?そう思っていたとき、あるメニューが目に入った。

「パタゴニアン・トゥースフィッシ」。あなたはその料理を注文するだろうか?

おそらくしないだろう。実際ほとんど誰もそれを食べようとしなかった。

長年のあいだ、この真の意昧での深海の怪物の売り上は低迷していた。

シェフがどう料理しようと、食事客たちはそれに日もくれずにほかの料理を選ぼうとした。

彼らはいわばもう少し魅力のある名前の料理が見つかるまで、メニューを読み進めるのである。

そして、「チリアンシーバス」という料理を見つける。

パタゴニアン・トゥースフィッシュより少しおいしそうに聞こえる。

しかし、実際にはこの二つの名前は同じ魚を表しているのである。

近年食用として重宝されるようになったこの魚の売上は、世界各地の市場(北アメリカ、イギリス、

オーストラリアなど)で1000%!4桁を超える売り上げを見せている。

その変化のきっかけとなったのが、名前を変えるという単純なトリックだった。

「改名による販売促進」がもっともうまくいった例の一つだ、と行動経済学者たちなら言うだろう。”

”料理には適した名前や描写を与えるべきだ。じっくりと考える価値はある。

たとえば、サラダパスタを指して「パスタ入りサラダ」と呼ぶだけでも

つまり同じ単語の順番を入れ替えるだけでも、

人々はその料理を少し健康的なもの、と捉えるかもしれない。

さらに、より説明的な文旬ーレストランで目にする

「ナポリタンパスタ、シャキシャキ新鮮な有機サラダを添えて」の様な言葉を

加えれば、その料理はより多くの称賛を集めるはずだ。

人々の期待を操作することは、スーパーマーケットでも重要視されている。たとえば、

私たちはまったく同じ食品。たとえばサンドイッチに対して、中のチーズはカンプリア地方の

ダックスフィールド典場でジョン・ビッグスという人物がつくった、という話を聞いたとき

の方がより多くの対価を払うことが研究で明らかになったからだ。

(中略)

言葉が食品に価値を追加する。

マーケティングの専門用語を使うなら、「消費者の支払い慈欲を高める」のである。

結果として、サンドイッチの味の印象まで(おそらくよりよい方向に)変わるかもしれない。

(中略)

結局のところ、私たちが食べ物を口にするとき、それが何なのかといった情報がまったくなく、

それを好きになれるかどうか、少しも予想ができない機会などめったにない。

食べ物に対する反応は、私たちの期待にほぼつねに影響される。

その期待が基準となりちの食体験に多大な影響をもたらすのである。

商品の名前も情報の一つで、とても重要な役割を持っていることがわかる文章でした。

どの食べ物を食べるべきか?

人は、想像以上に早く判断できるのかもしれませんね。

面白い本です。

マクドナルドTVCMより

さて、このマックフルーリーはミント味でしょうか?ソーダ味でしょうか?

「おいしさ」の錯覚 チャールズ・スペンスさん著② | 2022 | 未分類 | Comments (0)