CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?103

今日は、トヨタ・iciなどの多国籍企業のデザインコンサルティングもしている

オックスフォード大学の心理学者 チャールズ・スペンス著 

「おいしさ」の錯覚 (角川書店) 

からメモしていきます。

2018年初版なのですが、正直「もっと早く読みたかった〜」と感じました。

世の中はどんどん進化していきますからね。。。

「おいしさ」の最前線を見ることができ、とても勉強になりました。

「おいしい」という感情は錯覚?

とても面白い本です!!

今日は、おいしさと脳の関係について書かれた文章をメモしていきます。

“支払う代金が多いほど、食事はおいしく感じられるのだろうか?

必ずしもそうとは限らないが、多くの場合でイエスだと答えられる。

ほんとうにそうなのかを知るためにカリフォルニアの神経学者のグループが

社交的でワイン好きな大学生たちに、値段に関する梢報を与えてから赤ワインを飲んでもらい、

その際の彼らの脳の活動を調べた。5ドルのワインに対して、

一部には正確な値段を、残りには45ドルと表示した。

二本目のワインはほんとうは90ドルするのだが

10ドルのワイン、または90ドルのワインとして提供した。

3本目のワインでは、実際の値段である35ドルを学生たちに伝えた。

被験者が少量のワインを口に運ぶとき、その値段をモニターに表示する。

そして、被験者がワインの味の強さを評価するテストと満足度を評価するテストの、

2種類の試験を行った。

すると、全員が安価なものより、高価なワインのほうを好むという結果が得られた。

ここで堕要なのは、脳のスキャンを通じて、価格という刺激に応じて脳の報償中枢で血流が増加

することがわかったことだ.

被験者に伝えられるワインの値段が高ければ高いほど、内側眼嵩前頭皮質(mOFC)眼球のすぐ裏にある小さな領域ーの活動が活発になった。”

味よりも値段(脳)に左右された実験に驚きました!

“あるにおいに対して研究者が前もって「においの強いチーズ」と説明した場合、

「汗まみれの靴下」と言ったときよりも、人々はそのにおいを好ましく感じることがわかった。

ここでもまた、外因的なによって脳の反応が変わったのである。

(中略)

たとえば、最近行われた研究では、アメリカ人の学生が工場式畜産場に由来する肉

(ビーフジャーキーやハム)と放牧された家畜の肉を食べた。

実際にはどちらの肉も同じものだったが、工場式畜産場のものと言われて

から食べた学生たちはほかの学生に比べて、その肉をあまりおいしくないと感じ、

しょっぱくて脂っぽいと評価した。また、食べた量も少なく、

その肉に支払ってもいいとする額も低かった。

ここで重要なのは、同じような結果がほかの実験でも確認されているという事実だ。

ブラインド・テイスティングではほとんどの人が味に差を感じないのに、

有機栽培や放牧されたものだと言われれば、人々はそれをほかよりおいしく感じることがわかっている。

もしあなたが高価な有機野菜や放牧家畜などを調理しその違いを感じてもらいたいなら、

食事客にそれらの出どころを知らせるべきだろう。

しかしここで、食料品を生産する企業にとって厄介な問題が生じる。たとえほんとうに自

社プランドの食品に含まれる不健康な成分を減らす絶え間ない努力を続けているとしても、

「低脂肪」や「砂糖少なめ」などといった言葉を製品ラベルに記載すべきではないのである。

なぜなら、そうした言葉を見た消数者が、その商品はほかと味が違うと感じる可能性が高くなるからだ。

そうしたことを害かなければ消毀者は味の違いに気づかないに違いない。

「ヘルス・バイ・ステルス」がモットーだ!

味よりも情報なんですね。。。

興味深いことに、最新の研究を通じて、苦いものを食べると敵意が増すことがわかってきた。

逆に甘いものを食ぺると、人はロマンティックになり、デートの誘いを受け入れやすく

それどころか、愛について考えているとき、人は水を甘く感じることもわかっている。

自分が応援しているホッケーチームが勝った人々は、負けたチームのファンよりもレモンラ

イムのシャーベットを甘く評価する。カリフォルニアのババ・シヴ教授を中心としたマーケ

ティングの研究チームはもう一歩先に進み、大金を手にした人々は味党が変化することを報告している。

ここでもまた、味の印象は純粋な味覚以上の存在であることがわかる。”

”詳しく調べてみると、少なくとも知覚という点で、味覚はそれほど重要ではないことがわかる。

そう主張する理由は、各感覚に割り当てられた大脳皮質の領域の大きさにある。

視覚の処理に脳の半分以上が関連している一方で、味覚に直接関係する大脳皮質の

領域は1バーセントほどでしかない。

なぜなら、私たち人間の脳は身の周りの環境から統計的な規則性を導きだすからだ。

要するに、私たちは学習を通じて、色やにおいなど

味覚とは別の感覚を用いて潜在的な食べ物の味や栄養価を矛想できるようになる。

そのおかげで、多種多様な食べ物を一っひとつ口に入れて味を確かめることなく、

それらを食べた場合何が起こるか、前もって予測できるようになる。

私たちが感じる味の印象や食体験の楽しみの大きさにおいて、味覚以外の感覚が想像以上

に大きな役割を果たしているのは確かなのだ。”

衝撃ですよね。視覚は脳の半分。味覚は1%。

「おいしさ」を決めるものは、味覚よりも他の感覚が大部分を占めているのでしょうか。

ロイヤルホストTVCMより

 

「おいしさ」錯覚 チャールズ・スペンスさん著③ | 2022 | 未分類 | Comments (0)