CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?108

今日は、「ふわとろ」B·M•FTことばラボ著 からメモしてみます。

この本の裏表紙にはこう書かれています。

”この本を編集したのはB·M•FTことばラボです。
私たちは、「ふわとろ」「もっちリ」「とろーり」「うまみがある」「焼きたて」などの

飲食を誘う力をもつ言葉をシズルワードと呼んでいます。
ことばラボは、SNS、マスメディア、広告、パッケージ、メニュー、おしゃべりで

使われているシズルワードを集め ています。
集めたシズルワードは、昆虫の標本箱のように整理します。

そして、ことばの意味の関連性や共感覚性を考えた り、ことばの響きから連想を

めぐらしたり、シズルワード が食べ物や人の関係を動きまわる様子を

描きだしたり していきます。
ことばラボはシズルワードの博物館を目指します。

そし て、博物館の展示から触発されるように、私たちの感覚 と感情をぴったりと

表現するシズルワードとその素敵な 使い方を見つけていきたいと考えています。
この本では、ことばラボは字引きを担当、おつきあいのある人たちや

シズルワードからつながりができた人たちの力を借りて、この本をつくりました。”

この文章からもわかるように、おいしい(シズル)に関連した方が次々に登場します。

とても興味深い方ばかりの文章でした。

B·M•FTことばラボさんは、「SIZZLE WORD-シズルワードの現在」という素晴らしい

シズル言葉に特化したリサーチ、分析の本も出版されています。

シズルコピーを書くときには、必読ではないでしょうか!!こちらの本も良本です。

まずは、ブルーボトルコーヒーにも大影響を与えた、表参道の名店(惜しくも閉店2013年)

大坊珈琲店の大坊勝次さんの言葉からメモしていきます。

一般的な珈琲焙煎の段階は1から8まであります。

数字が増えるに従い焙煎時間は長くなり、豆の色は黒に近づきます。

私の焙煎の場合は7.0がボイントです。

ここから手前が焙煎段階でいうと6のフルシティで、

7.0を越えたところがフレンチロースト、

酸味がゼロになったところが7.0になります。

豆を焼いて、この豆はブレンドの仲間に入れようと思った時に、

どこを受け持たせるのかというプランが生まれます。

焙煎をする時7.0までは可ですが、7.1を越えて行くとスモークになり不可なのです。

でも、この7.0を越えたあたりが甘味は大きいのです。苦味を含む甘味になりますけども、

味も強くて重い、硬い味がでます。”

毎日、微妙に苦味、酸味、甘みをコントロールしながらブレンドを作り続けていたことが

わかる文章ですね。コーヒーの味を数値化して味を構築していることに驚きでした。

を閉じてうっとりと恐らく誰にも見せないと思われる怯惚とした表情をされる方もいました。

珈琲を飲まれて、今の体験を大事にしたいので帰りますとすぐに帰ってしまった方もいました。

珈琲を飲まれて「なるほど」を2回言われた方はとても印象深く残っています。

この「なるほど」の中には、多分、お前さんがここでやろうとしていることは、

こういうことなのだなということを、その人なりにわかったと言って下さったと思うのです。

(中略)

珈琲の楽しみには2つの余韻があると思います。ひとつはコーヒーそれ自身がつくり出す余韻で、

すでに述べたように香りの記憶が大きな役割を果たしています。

もうひとつは飲んでいる人の気持ちに生まれる余韻です。豆を焼いたり、淹れたりするのは

もちろん大変ですが、店で自分たちが動いている時は、お客様はどういう気分で飲まれて、

どういう風に感じて、どういう気持ちでお帰りになられるかに仕事のほとんどをかけていました。 ”

味と体験。ですね。勉強になりました。

次に、東京都上池台にある「wagashi asobi」の稲葉さん 浅野さんの文章です。

食べた人がおいしいと感じる「甘さ」についても、実は「振り幅」が重要な要素になってい

ると考えます。例えば干菓子のようにとても甘いものは、すこく小さい。

あまり甘くないシフォンケーキは、大きくていい。「大きさ」という振り幅で、

おいしい甘さに着地するのです。

すごく小さくてあまり甘くなかったら物足りないし、大きくてすこく甘かったら過剰に感じる。

おいしい甘さになるための砂糖の分量は、どちらも実際のところあまり変わらないのかもしれない。

さらに砂糖の甘さに対する振り幅として、酸っぱさや、シナモンみたいな香りとか、ハッカ

のひりひり感などがある。

こういった甘さだけではない主張があると、

甘さがちょうどよいという感覚になる。「ドライフル ー ツの羊羮」も

ちゃんと甘い羊羮を作っているのですが、 ドライイフルーツの酸味だったり胡桃の香ばしさによって、

「甘すぎない」という感覚になる。

要するに「おいしい甘さ」とはバランスです。サイズに対してだったり、素材の組み合わせ

に対してだったり。

和菓子職人とは、そういう甘さのコントロールをテクニカルにできるということなのかもしれません。”

和菓子職人の甘さに対するテクニカルなコントロール。とても重要な文な気がします。

ネスカフェTVCMより
「ふわとろ」 B•T•FT ことばラボ | 2022 | 未分類 | Comments (0)