CMディレクター 仲野哲郎の「シズル」って何?122
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今日は、天皇の料理番として、宮内庁大膳課厨房第二係に勤務。
洋食担当として働いていた著者、工藤さんが書いた書籍。
「陛下、お味はいかがでしょうか」からメモしていきます。
天皇家の食卓とはどんなものなのでしょうか?
著者が実際に供していた宮中レシピも収録してある著書。
知らないことがほとんど。。。とても興味深く読ませていただきました。
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”天皇家には「身土不二」(人の体と土地は切り離せない関係にあり、
地元で旬なものを食べることが健康にいい)
と「一物全体食」(食材はまるごと使うことでバランスのよい栄養摂取ができる)といった
料理についての考え方が代々伝えられています。
食生活から健康を怠識する「食養学」が徹底されているのです。”
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基本を怠らない。そんな哲学が見えてきますね。
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”料理のコツとはどんなものか
いつもこう唱えていたのは秋山徳蔵さんでした。
よく「三加減」と言われ、「火加減」「味加減 」「 盛り加減 」だそうです。
さらにもっと根本的なものは、料理に対して真心があるかどうかなのです。
宮内庁大膳課の初代主厨長・秋山徳蔵さんから引き継がれた
中島伝次郎 主厨 長がおっしゃっていた言葉を、再び引用してみたいと思います。
「料理は丁寧に、料理は 心構えだよ」
料理はつくり手の心を映しだすものであり、心を込めて丁寧につくれば、
自然と盛り付けの見映えもよ くなるということでした。
その気持ちを大切にすれば、必ずおいしいものをつくることができるということなのだと思います。
さらに、中島主厨長いわく、「明治の料理に三大原則」があるということで
した。ちょっと難しく聞こるかもしれませんが、実は非常にシンプルです。
「焦がすな」
「捨てるな」
「腐らすな」
(中略)
つまり「一物全体食」、食材をすべて使いきることでバランスよく栄養を摂取できるということは、
大膳課の調理の基本であり、伝統でした。
「料理の三大原則」からさらにもう一段レベルアップしますと、
秋山さんいわく「料理のコツ五則」にいたるといいます。
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第1に「材料の選択」。
いい材料を使うことが前提であること。料理のできばえは、料理の功績が六分で、
買い出し人の功績が四分だと述べています。
第2に「自然に従う」。
材料そのものがうまいのであればできるかぎり手を加えずに食べるの最高の道だと思います。
第3は「『間』を大切にすること」。
「間」とは、あるときは時間であり、リズムであり、また別の呼吸用語だといます。
材料の下ごしらえから調理するまでの時間であり、テーブルに出すまでの時間ともなる。
リズミカルな流れをつくるには、手順をよくしなければならないのです。
第4は「道具を整える」。
「整える」という言葉は、鍋フライパンなどの調理道具の手入れを怠らないということです。
第5は、
先ほどお伝えした「三加減」。材料に応じた「火加減」「味加減」「盛り加減」は、
経験を積んで身につけていくしかありません。”
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CMディレクターにも同じことが言えそうな大鉄則ですね。
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”このジンギスカンに使用されるタレは、秋山徳蔵さんによるオリジナルで、
大膳課では「ソース秋山」と呼んでいます。
このソースはつくりたてを使うのではなく、約半年間ほど熟成されたものが使われます。
例えば、秋の園遊会で使うものは、その年の春の園遊会のころにつくられたものになります。
秋山さんの入庁から退官までを考えれば、まさに 50余年の歴史を持つ秘伝の クレ。
ジンギスカンコーナーには毎回、招待者の行列ができるのです。”
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園遊会でしか食せないこのソース。気になりますよね〜
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“小川軒の教えはいくつかありました。まずはこれ。
「店のセンスを知るには、オードブル」
そして、
「その店の『格』が知りたかったら、スープを飲め」
スープはポタージュではなく、どのようにして出汁をとっているかがわかるコンソメスープでした。
続いてはこれ。
「店の『技術』を見たかったら、魚と肉を食べてみろ」
魚と肉料理には、必ずソースが加わります。煮る、焼く、蒸す、炒める、揚げる、茄でる、生があり、
料理方法に合わせてソースをつくりだす必要があります。
また、魚や肉の種類によっても、ソースを使い分けないといけません。
それができているか否かを見極めるのです。”
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料理人ならではのお店の評価方法ですね。とても面白いです。
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宮内庁大膳課厨房に勤務した著者の特別な本でした。
素敵な1冊でした。