CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?⑧

今日も「食べ物の流行」について考えてみようと思います。

前回は1993年頃から、2000年まで。

今回は2000年から最近までいってみたいと思います

失われた20年の後半。食文化はどう変化して行ったんでしょうか?


「ファッションフードあります」(2013/紀伊国屋書店)

著者は、畑中三応子さん。

料理書編集者、食文化研究家。1958年、東京都出身。90年代に料理ムックシリー『暮しの設計』編集長。手がけた料理書は200冊以上。『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(KKベストセラーズ)。など

この本の面白いところは、流行した食べ物を「ファッションフード」と名付け

ポップカルチャーの一部として、時代を追いながら記録していくことで

「近代の食物史」になっている所です。

なぜ食べ物に流行が起こるのか?

この新しい目線に度肝を向かれました。

出典:GOOGLE JAPAN

この本を読みながら書いていこうと思います。


バブル崩壊から約10年が経ち、失われた20年の後半にあたります。

世の中はバブルの残り香も消え、インタネット全盛期に入って

グローバリゼーションが加速していきます。

食のグローバリゼーションがもたらした問題

食にもグローバリゼーションの波が押し寄せます。

その中で、次々とグローバリゼーションの問題が上がっいきます。

アメリカの牛がBSEにかかると、日本の牛丼屋からメニューがなくなる

吉野家をはじめとする牛丼屋の「BSE問題」や

 出典:NAVER

基準以上の残留農薬の入った中国製「冷凍餃子」問題。

オーストラリアの干ばつによる、「小麦粉高騰問題」。など。

食料自給率が40%に満たない日本の状況を浮き彫りにしました。

その不安から出た自給率向上と安全保障を結びつけた「地産地消ブーム」。

グローバリゼーションが行き過ぎるとローカリゼーションが盛り上がる。

「食」にもローカリゼーションが盛り上がる土壌ができてきています。

●不老不死?夢と欲望の食べ物信仰。「空想科学食品」

健康で美しく、若々しい体や皮膚で長生きしたい。

そんな願いを叶えられそうな「体にいい」健康食品

メディアによって次々に紹介され、ブームを作っていきました。

特に人気のテレビ番組は「ためしてガッテン」「おもいっきりテレビ」

「発掘!あるある大辞典」など。

「アスパラガスは老化を防ぐ」「シナモンは血糖値を下げる」などなど

身近な食べ物の持つ驚異の健康効果が毎日のように宣伝され、その都度消費されていきました。

出典:大阪つーしん

●タニタ食堂ブーム。

日本で最初の体重計を販売した会社の「脱メタボ定食本」は

会社の説得力も重なり大ブームになりました。

●格差社会の歪みか?メガブーム

2007年にマクドナルドから発売されたパティが4枚乗ったメガマックを

皮切りに、各ファーストフード店でメガフードが発売されました。

カップ麺・プリン・パン。メガフードがコンビニでも次々と発売、

ブームを加速させていきました。

「勝ち組」は野菜中心の低カロリー食品を選び、

「負け組」は健康面に関心が薄く、低価格で高カロリーなものを選ぶ。

メガブームはその格差社会の典型例という説まで持ちあがりました。

メガフードブームと同時期発生した「ゼロブーム」。

カローリー0の文字が巷に溢れかえりました。

この全く対極にあるブームは、

現代人の食へのストレスを実感させるものでした。

●弁当男子とキャラ弁ママ

節約と健康管理の為の弁当男子。

自己表現、承認欲求を満たすキャラ弁ママ。

社会の問題と「食の流行」がブームを作り上げた良い例です。


失われた20年の食の流行は、

「社会問題に関わりながらブームになっていった」

という感じでしょうか。

食べ物の流行を時代ごとに追うことで、

「食べ物は時代の鏡だということ」

「食べ物の流行は社会問題・社会の動きと連携していること」

を発見できたのは大きな収穫でした!

「ファッションフード、あります」いい本でした。

食べ物の流行は以上です。

食べ物の流行について5 | 2017 | 未分類 | Comments (0)