CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?⑦

今日も「食べ物の流行」について考えてみようと思います。

前回は1980年代からベブル崩壊(1993年頃)まで。

今回は1993年頃から、2000年まで行ってみたいと思います。

1991年〜1993年のバブル崩壊を境に日本の食文化はどう変化したのでしょうか?


「ファッションフードあります」(2013/紀伊国屋書店)

著者は、畑中三応子さん。

料理書編集者、食文化研究家。1958年、東京都出身。90年代に料理ムックシリー『暮しの設計』編集長。手がけた料理書は200冊以上。『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(KKベストセラーズ)。など

この本の面白いところは、流行した食べ物を「ファッションフード」と名付け

ポップカルチャーの一部として、時代を追いながら記録していくことで

「近代の食物史」になっている所です。

なぜ食べ物に流行が起こるのか?

この新しい目線に度肝を向かれました。

出典:GOOGLE JAPAN

この本を読みながら書いていこうと思います。


1991年のバブル崩壊を機に食べ物にも価格破壊の波が押し寄せます。

●まずは食べ放題ブーム

「安い値段でも腹いっぱい食べたい」という本能をさらけ出した世紀末的現象。

テレビでは大食い選手権が高視聴率を獲得し、大食いタレントを排出。

世紀末的なブームに拍車をかけます。

出典:konomi

●1991年には牛肉輸入自由化。によってしゃぶしゃぶ食べ放題がブームに。

●回転寿司が、新しい形のファミリーレストランに。

寿司が高級路線から再びファーストフードに回帰しました。

ローカルフードのB級グルメで町おこしがブームに。

バブルで海外に注目していたメディアが、日本回帰とばかりに

月島のもんじゃ、宇都宮餃子、盛岡冷麺、讃岐うどん、喜多方ラーメンなどの

ローカルグルメに注目。ブームを起こしました。

●ご当地ラーメンを発端とする一大ラーメンブーム

1994年には「横浜ラーメン博物館」がオープン。

インターネットとセミプロ愛好家・評論家も結びつき、

ブームを加速してゆきます。

出典:asobii

●ファーストフードへの抵抗からスローフード

イタリアの小さな町ブラで発足した「スローフード協会」。

マニュフェストストには

「今こそホモサピエンスは、この滅亡の危機へと向けて進もうとするスピードから、

自らを解放しなければならない。我々の穏やかな歓びを守る為の唯一の道は、

このファストライフという世界的狂気に立ち向かうことです。」

と書かれていました。

スローフード運動は反米的な左翼運動からスタートしたものでした。

それが何故か日本でもファッションとして消費されスローフードブームに。。。

スローフードという言葉だけが一人歩きして、実をなさないブームに。。。

日本酒の復活

バブル時代に飲みすぎたせいか?アルコールは量より質を求める時代になります。

1992年に特級・1級・2級でランク付けする「特級制度」が廃止され、

原料と製法に基づく新しい品質表示方法が採用されたことで、

日本酒の多様性に拍車がかかりました。

赤ワインブーム

フレンチ・パラドックス」=フランス人は喫煙率も高く、

バター・牛肉などの動物性脂肪の摂取量が多いにもかかわらず、

心疾患による死亡率が低い。その理由は、赤ワインにある。という説。

が世界で紹介され、世界的赤ワインブームが起こります。

1995年には「世界最優秀ソムリエコンクール」で田崎真也が優勝。

ワインブームを支えました。

●水のブランド化ブーム。

「水と安全はタダだと思っている」。

日本におけるミネラルウォーターブームは革命的な出来事です。

この水に恵まれた日本で水にお金を払うのが普通になったのです。

背景には、水道水への不安がありました。

油、塩、米、のブランド化

水に続き、オリーブオイルブームが招いた油のブランド化。

1997年。塩の専売制度が廃止された後の天然塩ブームとブランド化。

1995年の新食料法施行による米の自由販売で米のブランド化。

生活必需食品にもブランド化の波が押し寄せてきました。

●料理の鉄人によりシェフという職業が全国的に認知されます。

料理人もブランド化に進んでいきます。

出典:ミドルエッジ


1993-2000年までのブームは、食べ物自体が産業化し

ありとあらゆる日常的な食品まで、どこ産の何々にあれこれをほどこして

と何らかのストーリーをつけてブランド化する時代に行き着きました。

企業はこれを付加価値と呼んでいますが、本質は

「食品の本質とは乖離した情報消費のファッションフードが

日本の食を覆い尽くした時代」

と言ってもいいものでした。

食べ物の本質を忘れ、情報によって選択する時代が着々と進んでいきます。

食べ物の流行について。4 | 2017 | 未分類 | Comments (0)