CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?79
今日は、原田信男さん著「食べるって何?-食育の原点」という本からメモしようと思います。
原田信男さん。日本生活文化史学者。国士館大学教授。
この本は、「食べる」という行動がどういう意味を持っているのか?
食べる為に発展した農業が戦いを産んだ?
など「食べる」に関わる興味深い文章が多くありました。
”私たちは、海や大地に育つ生命を食べて生きていますし、そうした食の獲得に、
実に膨大なエネルギーを費やしてきました。
今ても、食べるために働くという言葉は通用しますが、だいぶ意味合いが変わってきました。
歴史的には、一定の数の人々だけのカで、じゅうぶんに食料が確保されるようになると、他の人々が食料生産以外の仕事に関われるようになります。
つまり社会に余裕が生まれ、さまざまな文化活動が活発になるのてす。
もちろん食料の生産自体も―つの文化て、生活そのもののなかにも文化が結実しています。
しかし人間の精神生活に関する文化の形成については、のちにくわしくふれるように、食の安定的な確保が必要なのです。
その意味では、ただ単に生命を長らえるだけではなく、人間が人間らしく生きるためにも、食は重要な要素となります。”
食の安定的な確保ができないと文化活動も減退しますよね。
次に共食・孤食についてのメモです。
”2000年の12月、熊本県八代郡の山中て猟師たちがイノシシを解体するところに出会いました。
狩りの獲物を、猟師たちが平等に分けることは聞いていました。
しかし、それは頭のなかだけでの理解でした。平等といっても、実際には単純ではないのてす。
彼らは三人てしたので、まずイノシシの肉を胸と腹と尻とに大きく切り分け、さらにそれを三等分しました。
それを各部位から一枚ずつ取り、三つの白いビニール袋に入れて、中身が見えなくしたものを、一人が一つ貰います。
肉の価値は部位によって異なりますから、このような手順が必要なのてす。
また解体すると、すぐに内臓は村の女たちに渡されます。皆でもつ鍋にして食べるのてす。
ちなみに猟は、鉄砲を使わずに槍で、狩猟犬が追いこめた獲物を仕留めましたから、犬にはイノシシの鼻がご褒美となりました。
ここでは女たちや犬への分配が大切てす。
猟をする者だけが、食料を得るのではなく、それを取り巻く人々へも、その分配をすることに食料の獲得と分配という文化がある点を見逃してはなりません。
つまり個体的には弱い人間が、集団て生活を営み、そこで文化を身に付けるのですから、
集団に獲物を分配することが求められるのてす。
また食事とは、本来的に、個人て摂るものてはありません。
特別な例外を除いて孤食というのは新しい食事行動で、古くから人間は家族とともに食事をしてきました。
これは家族が、食料を入手するための単位集団だったからてす。
もちろん家族以外にも、村や特定の集団て、共食を行うことがありますが、これらは食物の分配に関わる集団ごとの食事行動とみなすことがてきます。
そうした意味でも、共食は一つの文化なのです。”
孤食は、新しい食事行動なんですね。
”まず猿人たちは基本的に草食性で、類人猿と同じく木の実などを食していました。
やがて彼らも、道具を製作して使用するようになり、食の拡大が始まります。
250万年前のガルヒ猿人は、石器を使用して狩猟を行い肉食をしていたようてす。
その後の原人つまりホモ・エレクトスについては、エチオピアて170万年前の化石が発見されています。
ジャワ原人や北京原人も、これに属しますが、彼らの文化は、より機能的て充実した石器技術の展開に支えられていました。
また原人は、猿人よりも身体的に大型となり、体重が増したために、エネルギーの消費量は高くなりましたが、
代わりに移動範囲を拡大させる体力を持つことがてきました。
ちなみに猿人たちの化石は、すべてアフリカから発見されていますが、そこを彼らは生活圏としていたのです。”
人類の祖先はみんなアフリカに住んでいたんですよね。
次に続きます。