CMディレクター仲野哲郎の「シズル」って何?92
今日は、ロバート・ウォルク著「料理の科学」からメモします。
帯に「料理のサイエンス入門書」と書かれているように、
料理を科学的に分かりやすく解説してくれます。
色々な疑問にウォルクさんが的確に、ユーモアを交え答えてくれます。
今日はお肉と魚肉の話です。
肉の色について。
”動物の種類もさまざまなら、筋肉組織に含まれるミオグロビンの量もさまざまで、それは、激しい運動に使う酸素の必要貯蔵量がそれぞれに違うからです。
豚肉(あの怠け者たちの肉)牛肉よりもミオグロビンが少なく、豚肉を売りこもうとする業者はそれを利用して「もう一つの白身肉」と宣伝しています。実際はピンクだというのに。
魚に含まれるミオグロビンは、さらに少量です。
つまり動物の肉の色は、それぞれの動物種の、
筋肉の持続的な運動に対する進化上の必要性に応じて、赤、ピンク、または白と決まるということです。
たとえばマグロの肉はかなり赤い色をしていますが、これはマグロが激しく速い動きで泳ぎ、世界中の海をめぐって膨大な距離を回遊するからです。
これで、鶏の首、脚、腿の肉の色は濃いのに、胸の肉は白い理由がわかりましたね。
鶏は餌をつつく動作で首を、歩くことで脚を鍛えるけれど、あの大きな胸の部分はただのお荷物なのです。
白い胸肉をもつように繁殖させているのは、アメリカ人が他の国に比べて白身の肉を好む傾向が強いからです。実際、放し飼いでないかぎり、今日のアメリカ産の鶏は甘やかされて「赤身肉」でさえ胸肉と変わらない白さです。”
肉の色は、運動の量なんですね。一概には言えないかもしれませんが、白い肉は不健康な肉って感じがしてきました。。。
”骨に近い肉の方が「味がいい」のは事実で、それはいくつかの理由があります。
まず、骨とそのまわりの肉は、肉の中に埋もれていますから、
加熱したときに熱くなるのも火が通るのも、外側の肉ほど速くないこと。
Tボーンステーキを焼くとき、骨の近くの肉はは他の部分よりもレア気味に焼き上がりますが、
肉はレアなほど、ジューシーで風味豊かなのです。
もう―つの効果は、腱をはじめ、肉を骨に固定している結合組織が豊富であることから生れます。
結合組織に含まれるコラーゲンタンパク質は、加熱されると分解して、ずっと柔らかさを増したタンパク質のゼラチンになります。
ゼラチンには大量の水分を保持できる特質もあり、その量はゼラチン自体の10倍にものぼります。
したがって一般的には、最もコラーゲンの多いところ-たいていは骨の周り-なら、その肉は柔らかく、しかもジューシーだと言えるでしょう。
骨の近くの肉がもたらす第三の効果は、わかりやすい形で表れます。とくにリブやチョップが顕著ですが、
肉のカットの種類によって、骨の近くにたっぷりの脂肪がついているものがあります。
ですから、あなたが人目のないところで、大食漠のヘンリー八世のごとく、そんな骨をしゃぶり尽くしているとしたら、
多量の脂肪を摂取することは避けられません。私たちにとって、また動脈にとってもはなはだ遺憾なことに、
高度に飽和した動物性脂肪というのは、実にうまいのです。”
骨の近くは
ゆっくり火が通るからレアでジューシー。
コラーゲンだっぷりだから柔らかくジューシー。
そして、カットによって脂身がたくさんついている。
よだれが出てきますね。